bruneの症例報告

忘備録の代わりに載せます。どなたかの参考になれば幸いです。

スタンダード大学の研究グループによる原発事故の死亡者数算定について メディアによる誘導?

(本ブログは下記の記事を参考した私個人の見解であり、記事の意見を代表するものではありません。)

7月17日スタンダード大学の研究グループによる福島第一原発事故の健康被害に関する論文を発表した。

Worldwide health effects of the Fukushima Daiichi nuclear accident
Energy & Environmental Science First published on the web 17 Jul 2012

Abstractから得られた範囲の情報では
放射線により発生する癌での死亡は130人(95%信頼区間?:15人〜1100人)
癌の発生自体は180人(95%信頼区間?:24人〜1800人)と見積もられている。
これらはLNT仮説に基づいての計算であるので実際はもっと少ない可能性がある。

この論文の捉え方がメディアによって全く異なることが興味深い。


YAHOO NEWS! では
Japan Nuke Disaster Will Kill Up to 1,300 People Worldwide, Study Estimates
(死者は1300人となり得る!)

Radiation from last year's disaster at Japan'sFukushima Daiichi nuclear plant may eventually cause up to 1,300 deaths and 2,500 cases of cancer worldwide, according to U.S. researchers who calculated the global health effects of the incident.
95%信頼区間と思われる範囲の最大値を採用している。煽り派。

Bloomberg
Fukushima Radiation May Cause 1,300 Cancer Deaths, Study Find と煽り派。

一方、慎重派としては

SCIENTIFIC AMERICAN は (Impact Factor 2.47のジャーナル)
Computer Model Predicts Fewer than 200 Deaths from Fukushima Radiation
(200人より少ない!)

a recent Stanford Ph.D. graduate, and civil engineering professor Mark Jacobson calculated that between 15 and 1,300 premature deaths would occur as a result of the accident.Within that wide range, the team poses a best guess of 130 direct deaths resulting from radiation inhalation and exposure.
こちらは控えめな印象。さすが科学ジャーナル。

Los Angeles Timesではどういう訳か
Radiation from Fukushima probably will kill 130 people
と大衆紙にも関わらず最も控えめな数字となっている。どうなっているの?


たった1つの論文が元になっているにも関わらず報道(誘導?)の仕方はそれぞれです。
日本ではまだ報道されていませんが、どうなるのかは言うわずもがなです。

Oral Sex と発がんの関係

Health Risks of Oral Sex | Women's Health Magazine
(本ブログは上記を参考した私個人の見解であり、記事の意見を代表するものではありません。)

子宮頸がんの原因となり得るヒトパピローマウイルス(HPV)は30種類程、確認されている。
その中で16番と18番のタイプが原因となりやすいが
HPV16番が口腔内悪性腫瘍(口腔がん)に関わっている。

通常、口腔がんはヘビースモーカーかアルコール多飲者、もしくはその両方であるが
このプロフィールに当てはまらない比較的若年の女性の症例からHPVの関与が分かってきた。

American Cancer Societyによると口腔がんの25%程度はHPVの関与があり
それらの多くは女性に見られる。

Human Papillomavirus Infection as a Risk Factor for Squamous Cell Carcinoma of the Head and Neck
N Engl J Med 2001; 344:1125-1131

上記によると6人以上のSexパートナーがいる場合、口腔がんを含む頭頸部がんのリスクが2倍となる。
さらに6人以上のOral Sexパートナーがいる場合は3.4倍まで上昇する。


予防法はあるのだろうか?


最も確実な予防方法はリスクとなる行為を行わない事であるが、最も現実的ではない。
Oral Sexの際にコンドームを使用すると良いかもしれない。
(これも現実的ではない気がする。)

歯科医による口腔内の診察は発見に役立つかもしれない。
(ただしHPVによる口腔がんが歯科医師の鑑別診断リストに入っていればの話ですが…)

HPVワクチンは予防法として理論的には一定の効果があると思われる。

現在、市場に出回っているものはサーバリックスとガーダシルの2種。
ただし少なくとも問題が3つある。

・ワクチンの効果が現時点では5年までしか確認できていない。
  がんの成長は非常にゆっくりであり、予防のためには15年程度の効果が必要。

・ワクチンの価格が高い。
  日本では15000-20000円を3回行う必要がある。

・ワクチンを含む全ての医療行為には副作用のリスクが伴う。
  詳しく話すと長くなるので省略(失神、疼痛、死亡など。因果関係は不明)


さて、どうしたものだろうか。

オキシトシンが世界で最もAmazingな分子である10の理由

以下の記事から参照です。
10 Reasons Why Oxytocin Is The Most Amazing Molecule In The World

おっぱいを出すホルモンとして有名なオキシトシン。(ちなみに作り出すのはプロラクチン)

ただ出すだけではなくて様々な効用があってAmazingですよって内容です。
10個を箇条書きにすると

  1. 分泌されやすい (ハグされたり、握手したりで分泌。)
  2. 愛の薬 (恋の情熱のもと。オーガニズムや勃起の持続とも関係する。)
  3. 女性を母親へ導く (母親と子供の信頼関係を作ります。)
  4. 他者への恐れを和らげる(楽観的になり、他人とも信頼関係を築きやすくなる。)
  5. 身体的な癒しの効果 (痛みを少なくする。)
  6. ダイエットにも効果がある (オキシトシンの受容体がないと将来肥満となる、かも。)
  7. 抗うつ作用 (産後のうつはオキシトシンの血中濃度が低いことによる)
  8. 抗ストレス作用 (副腎皮質ホルモンをさげて、血圧も下げる。消化も促進する。)
  9. 帰属集団への自己犠牲精神が高まる (良い点であり悪い点でもある…)
  10. わたしたちを人間らしくする (上記をまとめ。他者や社会への信頼関係、連帯意識を作ることは人間らしさを作る。)

全て本当だとしたら、逆にオキシトシン不足の人は

誰にも触れられず、恋人もなく、母親でもなく、悲観的で、痛みにも弱くて、肥満で、鬱っぽくて、ストレス過多で、利己的&排他的で、人間らしさが備わっていない、という酷い人間になりますね。

そんな人を見かけた場合はアトニン-O注(オキシトシンの商品名)をそっと注射してあげましょう。
人生が変わるかもしれません。
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カンボジアにおける謎の感染症騒ぎの正体

「3ヶ月間に60人もの子供が死亡した」

との事でちょっとした騒ぎとなっていたこの事件ですが

正体はエンテロウイルスによる手足口病が原因でした。

 

ただし、通常の手足口病の死亡率は低いのにも関わらず何故こんなに死んでいるのか?

というのが下記の記事です。

 

Explaining Cambodia's 'mystery illness'

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-18813921

 

かいつまんで言うと、カンボジアの衛生状態が整っていないことが原因です。

かの国には手足口病の流行とは関係なく、毎日5歳以下の子供が50人も亡くなっている

日常があるようです。(3ヶ月で4500人)

 

別の言い方では20人に1人の子供は5歳まで生存できないのです。

(ただし、これでも改善したそうで10年前は8人に1人でした。)

 

今回の混乱についてBBCは’Needless panic’と表現しています。

 

情報の背景を捉える事が大切と思った一例でした。

 

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